第9回特別展「1980年代という時代」 ご案内
 

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特別展要旨

1980年代のはじめ、マイコンが本格的にAV機器に使われるようになり、パソコンが市販されました。1982年にはそれまでのレコードに代わってCDが発売され、「デジタル化」が大きな流れとなりました。マイコンなどの技術をうまく取り入れ、高い生産技術で高品質と低価格を兼ね備えた日本製のAV機器は世界に輸出され、特にビデオデッキは日本の独壇場でした。

アメリカとの間では貿易摩擦が生じ、85年のプラザ合意で円高になり、その「円高不況」克服のために金融緩和が長く続き、大量の資金が投資に回って地価と株価の高騰が起きました。バブル景気です。国内では好景気の下でCDや大型テレビなどの新製品が売れていましたが、円高によって輸出競争力が弱まり、工場の海外移転が進みました。1985年は、日本の半導体やAV機器が、それまでの輸出の主力商品から輸入品に変わる転機となった年です。

1989年1月7日、1980年代最後の年の初めに、昭和が終わりました。そして11月9日、ベルリンの壁が開き、世界が大きく変わりました。1980年代に実用化されたデジタル技術が、1990年代に入って携帯電話やネットなどの新たなうねりを作り出していくことになります。

この時代のラジオやテレビは、ハイテクを取り入れた多機能、高機能を押し出した製品や、なんでもありのバブル時代ならではのユニークな製品もあり、日本の電子業界の絶頂期の自信にあふれています。今回の特別展では、1980年代を代表するラジオ、テレビ、オーディオ機器を中心にパソコンなどのIT機器も含めて展示します。

同時開催のミニ企画展は「戦時下のラジオと情報統制」です。異様な取り合わせと思われるかもしれませんが、メインテーマの1980年は今から39年前、この30年については今盛んに回顧されていますから省略しますが、1980年から39年前は、戦争が始まった1941年です。今50代の中年がヘッドホンステレオやラジカセに夢中だった1980年に50代の中年だったおじさんたちは、39年前の1941年には熱血軍国少年でした。そして、戦災、戦後の飢餓をくぐり抜け、高度成長をモーレツ社員として支え、「24時間戦えますか」のCMどおりに働いてバブルに突入したわけです。
長さだけは同じ39年であってもいかに違う時代であったか。海外放送の受信が厳しく禁止されていた時代から自由な時代へ。その変化からこれからの新しい時代の39年を考えてみるきっかけとなればと思います。

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