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アマチュア組立ラジオの流行

 - (1948-57) 隠れたトップメーカー-

 戦時中からラジオには高率の物品税が課されていた。1947年から49年までは30%、電蓄にいたっては80%もの税率であった。このため、市販の部品を集めて素人やラジオ商が組み立てた受信機が価格競争力を持つようになった。メーカー品の電蓄が極端に少ないのはこのためである。技術のあるアマチュアにとっては小遣いを稼ぎながらラジオ製作を楽しめたのである。

 1946年から51年までの統計を見ていると面白いことに気が付く。セットの生産台数と真空管の生産本数、聴取加入数を比較すると、セットの生産台数が極端に少ないのである。ラジオの生産台数の2倍もの新規加入がある年もある。この間の生産と加入の差は100万件を越える。この需要をアマチュアの自作ラジオがまかなったと推定できる。ただ、NHKの受信施設調査を見ると、「自作」のラジオを使っているという回答はわずか6.2%でしかない。大半のユーザーはラジオを「購入」していたのである。このことは、アマチュアやラジオ商、零細企業が市販部品で組み立てたラジオが大量に販売されていたことを示唆している。台数だけでいえばトップメーカーといえる。

 終戦直後はスーパーの中間周波数も統一されていないような状況で、市販部品で5球スーパーを作るにはかなりの技術が必要であった。しかし、自作が多くなるのと時を同じくしてラジオ部品の専業メーカーが成長してきた。トリオ、アルプス、菊水など戦後派の部品メーカーには現在日本の電子工業の中で重要な地位を占める大企業に成長したものも多い。部品の規格統一がないことによる不便さを解消するために、1949年12月に関東のバリコン、コイル、ダイヤルメーカー18社が「日本C.L.D.協会」を設立し、協会員の製品同士はどれを組み合わせても互換性が取れるように規格化された。これに続いて翌年関西系のメーカーで「日本C.V.D.協会」が設立された。


日本C.L.D.協会の広告(無線と実験1950.5より)

 これによりスーパーの組立調整が容易に行えるようになった。1952年には電子部品のJIS規格ができたため、部品の品質、互換性がより高くなった。

 また、多くのキャビネットメーカーから多様なデザインのキャビネットが販売され、外観もメーカー品と遜色ないラジオを組み立てることができた。キャビネットは当初前面パネルにスピーカー以外の穴がない形で供給され、シャーシに合わせてツマミとダイヤル窓の穴を加工して組み立てるものであった。このため、ダイヤルは「額縁型」をした汎用のものが多く販売された。シャーシは加工を容易にするためアルミ製の穴あけ済みシャーシが主流であった。1950年代半ば近くになると、ラジオのダイヤル部のデザインがプラスチックを多用したキャビネットと一体になったものに変化してきた。このため、組み立て用のキャビネットは、ばらばらのキャビ、シャーシ、ダイヤルを組み合わせるものからこれらを組み合わせた、いわゆる「キャビ・キット」の形態の商品が増えてきた。この場合加工の必要性が少ないのでシャーシは主に鉄製である。これによりモダンでユニークなデザインが可能になった。中には、部品を組み合わせたキットで供給されたり、一部には完成品で販売されるものもあった。

 ラジオ商などの業者が部品を集めてラジオを組み立てると課税の問題が出てくる。この場合、ラジオ商が出荷するのであるからその時に物品税を支払う必要があるが、仕入れた部品にすでに税金がかかっているので二重課税となってしまう。1950年までは各国税局の判断で課税されていたが、1951年からは、一定の税額控除と査定方法を一律に適用することになった。この結果主要部品の税額を控除したにもかかわらず増税となってしまう場合があり、問題となった。ちなみにアマチュアの自家用および直売を除くラジオ商などの中には脱税していた業者も多かったようである。

 物品税は1949年以降引き下げられ、1953年には中波5球スーパーの税率は5%まで引き下げられた。これにより自作ラジオのうまみは以前より減り、戦後しばらくは売り上げ比率でセット2割に対して部品8割という市場はセット8割、部品2割になった。 また、電蓄の税率はまだ30%であったので、アマチュアの自作品中心の時代であった。

1953年のテレビ放送開始に伴い、アマチュアやラジオ商の関心は技術レベルが高く、高額なテレビに移った。ラジオと同じように自前で組み立てたテレビを売って儲けたラジオ商は多かったが、さすがに脱税で摘発されることも多かったという。

この時代のキットまたは手作りのラジオを、当館の所蔵品から紹介する。
ブランドは主にダイヤルまたはキャビネットのブランドを示す。

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スーパー受信機


木台シャーシ使用5球スーパー 製作者不明 1953年頃  
普及5-F型 5球スーパーキット 電波科学代理部 1953年 3,850円 
Vendix Radio 5球スーパー 5球スーパー Vendix Radio Co., Ltd. 1951年頃 (NEW)
Vendix Radio 2バンド5球スーパー 栄光電機(株) 1953年頃 
OCEAN/ELMAN 5球スーパー 大洋無線工業? 1953年頃 
名古屋電気学園 MD-A型 5球スーパー 名古屋電気学園工場 1953年頃

National Cabinet 使用 5球スーパー 松下電器産業(株) 1953年 
ナショナルキット 型番不明  5球スーパー 松下電器産業(株) 1953年 
ナショナルキット 型番不明  5球スーパー 松下電器産業(株) 1953年 
ナショナル・ダイヤル使用高一付6球スーパー 1955年

ジェムズ(GEMS) GM-12型 mT管トランスレス5球スーパー 五味無線工業(株) 1953-54年 7,200円(完成品)/2,700円(キット) 
クライスラー(Chrysler) S-106型 5球スーパー 佐藤電気産業(株)/クライスラー電気(株) 1954-57年 
Nation GT管式5球スーパー 1954年頃
King Tone KT-867B型 マジックアイ付7球スーパー キングトーン工芸(株) 1954年頃 
King Tone マジックアイ付5球スーパー キングトーン工芸(株) 1955年頃 
ベニス(VENICE) V-202型 マジックアイ付2バンド5球スーパー (株)老川工芸所 1955年 
オンケン OS-120型 6球親子式インターホン・ラジオキット 1957年 小川無線電機(株)/無線枢機産業(株) 6,500円 

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再生式受信機


高一付4球ダイナミック受信機 1948年頃 
高一付4球受信機 1949年頃 
並四球受信機 1949年頃 
小型4球受信機 1949年頃
IDEAL 5MK-1型 高一付4球受信機 1954-55年 \2,300(キャビのみ)

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スーパー受信機


木台シャーシ使用5球スーパー 製作者不明 1953年頃

  

TUBES: 6BE6-6D6-6AV6-6ZP1-80BK, Permanent Dynamic Speaker

 木製のシャーシは、昭和初期のミゼットのはしりの頃と、戦時中の金属が不足した時代の、主にアマチュア製のセットに見られる。このセットは三連バリコンを使っていることから、終戦直後に高二受信機として組み立てられたものと思われる。1953年頃にスーパーに作り変えられ、現存する6BE6-6D6-6AV6-6ZP1-80BKという構成のmT/ST混合の5球スーパーとなった。シャーシの工作精度は非常に高く、内部配線も美しく仕上げられている。国民型受信機などに使われる安価なキャビネットが使われ、直結ダイヤルに短波の目盛を記入しただけの"Two Band Dial"が使われている。バリコンが通常と逆回転になるものを使用しているため、元のダイヤルも目盛を消して書き直してある。

発見されたときにツマミとスピーカは失われていた。スピーカは実際にはNOBLEの小型のモデルであったようである。
真空管は失われていたため、当館の手持ちのものを取り付けた。整流管は12Fだった可能性が高い。
ツマミとスピーカは当時のものを当館で取り付けたもの。

(所蔵No.11279)

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普及5-F型 5球スーパーキット 電波科学代理部 1953年 3,850円

  

 
組立説明書表紙(4ページ、実態配線図付)
 
代理部の広告(電波科学1953年9月号)

TUBES: 6WC5-6D6-6ZDH3A-6ZP1-12F, 6.5" Permanent Dynamic Speaker

 1950年代には、ラジオ雑誌の「代理部」で、ラジオキットや部品が通信販売されるようになった。大抵は雑誌の巻末に掲載され、徐々にその分量が増えていった。1955年頃には、雑誌の製作記事に代理部で販売するキットを紹介するものが多くなった。このセットは、珍しく代理部で販売されたことが明確なものである。普及型5球スーパーの典型的な構成で、6.5インチパーマネント・ダイナミックを駆動する。市販の完成品は、どんなに安くても6千円以上したので、4千円以下の価格は、魅力的だっただろう。

実物と、9月号の広告とは、型番が同じでもキャビネットが微妙に異なっている。

(所蔵No.11193)

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Vendix Radio 5球スーパー 5球スーパー Vendix Radio Co., Ltd. 1951年頃

  

TUBES: 6WC5 - 6D6 - 6ZDH3A - 6ZP1 - 80HK, 6.5" Electro-Dynamic SP

落ち着いたデザインのキャビネットに収められた手作りの5球スーパー。"Vendix"はキャビネットのブランドで、もちろんアメリカの軍需産業とは無関係である。この後、CLD協会会員の同社はブランドを「Eiko」に変更した。鉄製のシャーシが使われていることから、キャビネットとダイヤル、シャーシが組み合わされた、いわゆる「キャビキット」の初期のものと考えられる。

縦型のダイヤルは1950年頃に流行した。古風なデザインだが、ダイヤルの表示は535-1605kcのバンド変更後のものになっていて、1951年以降の製品であることがわかる。しかし、IFTは463kcの古いものが使われている。このため、ダイヤルと異なり、実際の受信周波数帯は以前の550-1500kcと思われる。鋳物を使ったフィールド型ダイナミックスピーカやトランスなど、終戦直後にみられた古いタイプの部品が多く使われている。受信周波数や中間周波数の規格が変わる過渡期に作られたセットと思われる。

本機は、ダイヤル左側の飾り金具が失われている。

(所蔵No.m11057)  東京都、鈴木様寄贈

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Vendix Radio 2バンド5球スーパー 栄光電機(株) 1953年頃

  

TUBES: 6WC5 - UZ-6D6 - 6AV6 - UZ-42 - 5Y3-GT, 6.5" Permanent Dynamic Speaker

 ヨーロッパ風デザインのキャビネットに収められた自作5球スーパー。"Vendix"はキャビネットのブランドで、もちろんアメリカの軍需産業とは無関係である。この後、CLD協会会員の同社はブランドを「Eiko」に変更した。キャビネットとダイヤル、シャーシが組み合わされた、いわゆる「キャビキット」の初期のもの。アマチュアらしいST,GT,mT混合の構成で、6.5インチパーマネント・ダイナミックを駆動する。

(所蔵No.11319)

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OCEAN/ELMAN 5球スーパー 大洋無線工業? 1953年頃

  

  

TUBES: 6WC5-6D6-6ZDH3A-42-80, Electro-dynamic Speaker

 フィールド型ダイナミックスピーカを搭載した大型の5球スーパー。回路は平凡なもので特に見るべきところはない。
キャビネットは1946年のナショナル8A-1型のコピーである。おもしろいのはキャビネットにキャビネットメーカーのブランドである「OCEAN」の他に戦前からのラジオメーカーであるエルマン(大洋無線工業)のマークが付いていることである。シャーシはどう見てもアマチュアの手作りである。この点は謎が残るセットである。

(所蔵No.11463)

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名古屋電気学園 MD-A型 5球スーパー 名古屋電気学園工場 1953年頃

   

   

TUBES: 6WC5 - 6D6 - 6ZDH3A - 6ZP1 - 12F, 6.5" Permanent Dynamic (SASA)

 学校法人、名古屋電気学園で製造された5球スーパー。実習として組み立てたものを市販したと思われる。2バンド用ダイヤルを使っているが中波専用である。前面布張りのキャビネットと、額縁型の汎用ダイヤルを組み合わせたスタイルは組立ラジオの典型的なものである。シャーシは摂津金属工業(IDEAL)の汎用穴あきシャーシである。

(所蔵No.11490)

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National Cabinet 使用 5球スーパー 松下電器産業(株) 1953年

  

 

TUBES: 6WC5-6C6-6ZDH3A-6ZP1-12F

 当時トップのラジオメーカだった松下電器は、ラジオパーツも大量に販売していた。これはそのひとつ、ナショナルキャビネットを使用して組み立てた5球スーパーである。当時量産を開始した最新のプラスチック(ベークライト系)キャビネットと、ST/GT管5球スーパー用のシャーシを組み合わせたものである。デザインはナショナルの他のラジオと共通性のない、まったくのオリジナルである。型を起こして試作だけして製品としては没になったものを部品として外販したのかもしれない。この当時、アマチュアやラジオ商が組み立てたラジオがきわめて多く流通し、メーカを脅かしていた。経済状況を見れば低価格の(物品税を払わない)ラジオでなければ商品にならない事情もあった。松下はその市場にも部品を供給することで自社の市場に取り込んでしまったのである。

 本機の内部の部品に松下製のものはまったく使われず、ゼブラのトランス、コスモスのコイル/IFT、エレバムとヒカリの真空管など、より低価格の他メーカ製の部品が使われている。特に真空管には「業務用」の印があり、アマチュアではなく、ラジオ商または零細な工場で製作されたことをうかがわせる。

本機のツマミは失われていた。写真は当館で手持ちをツマミを取り付けたもの。実際にはもう少し小型のツマミだったと思われる。

(所蔵No.11834)

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ナショナルキット(National KIT) 型番不明 5球スーパー  松下電器産業(株) 1953年

  

TUBES: 6WC5-6D6-6ZDH3A-42-80-6E5, Permanent Dynamic Speaker (National 6P-55)

 松下電器がオールキットで供給した5球スーパー。完成品として供給されていたHS-750型5球スーパー(\12,500)のシャーシ、キャビネットを流用し、汎用のナショナル・ダイヤルを使用している。オリジナルのセットには無いマジックアイが追加されている。汎用品でよく見られるマジックアイの枠は、松下がオリジナルである。ダイヤルが大きいのと、マジックアイを隙間に押し込んでいるため、デザインのバランスが悪い。シャーシはすべて松下製の部品で構成されているが、量産品と異なり、ソケットはリベットでなくねじ止めになっている。本機の真空管はナショナル製でなく、マツダが使われている。真空管なしで供給されたものと思われる。このキットが、ラジオ商向けに供給された製品だったのか、個人にも販売されたものなのかは不明である。

本機は、水をかぶったらしく、キャビネットの劣化が激しい

(所蔵No.11883)

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ナショナルキット(National KIT) 型番不明 5球スーパー  松下電器産業(株)  1953年

  

  
    パネルのマーク             シャーシ裏、12F用の3本脚ソケットが興味深い

TUBES: 6WC5-6D6-6ZDH3A-42-12F, Permanent Dynamic Speaker (National PD65)

 松下電器がオールキットで供給した5球スーパー。完成品として供給されていたHS-1000型5球スーパー(\9,850)のシャーシ、キャビネットを流用し、ダイヤルをBX-710型の型を流用したものに変更したもの。キャビネットにはマジックアイを追加するのに便利なように、キャビ裏側に穴を切り抜く位置が示してある。シャーシはすべて松下製の部品で構成されているが、量産品と異なり、ソケットはリベットでなくねじ止めに、トランスはリード直出しから端子からげに変更されるなど、組み立てやすいように変更されている。ただし、実機の配線、半田付けは素人の手になるとは思えない部分と稚拙な部分が混在している。ヒーターやアース周り、高周波部などはある程度組立済みだったのではないかと思われる。本機の真空管はナショナル製でなく、安価なフタバ製が使われている。真空管なしで供給されたものと思われる。このキットが、ラジオ商向けに供給された製品だったのか、個人にも販売されたものなのかは不明である。

(所蔵No.11835)

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ジェームズ(GEMS) GM-12型 mT管トランスレス5球スーパー 五味無線工業(株) 1953-54年 7,200円(完成品)/2,700円(キット)

  

  無線と実験 1953.11

TUBES: 12BE6-12BA6-12AT6-35C5-35W4, Permanent Dynamic Speaker

 キャビネットやダイヤルの専門メーカ、五味無線工業(CLD会員)の小型受信機。12BE6-12BA6-12AT6-35C5-35W4の、初期型トランスレスラジオである。トランスレスで金属キャビネットとしたものは珍しい。当初完成品で販売され、後に広告にあるキットも供給された。6BA6-6BA6-6AT6-6X5 という配列の4球式セットGM-11型(\6,200)およびキャビのカラーバリエーションがあった。
(掲載誌:無線と実験 1953.11広告)

(所蔵No.11119)

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クライスラー(Chrysler) S-106型 5球スーパー クライスラー電気(株)/佐藤電気産業(株) 1954-57年 

  

TUBES: 6WC5-6D6-6ZDH3A-42-80HK-6E5D , 6.5" Electro-dynamic Speaker (Pioneer)

 キャビネットメーカのクライスラー電気が発売したキャビキットを組み立てたもの。この製品は人気があったらしく、長期にわたって販売された。キャビネットとシャーシが組になったキャビキットの場合、ほとんど組み立てに加工が必要ないため、シャーシは鉄製である。スターのコイル、タンゴのトランスなど、一流の部品が使用されている。マジックアイには、電極先端に装飾用のダイヤ状の飾りをつけたトーヨー製6E5-Dが使われている。同社は1954年に佐藤電気産業と社名変更し、後に元のクライスラー電気に戻している。無論、米国の自動車メーカとは何の関係もない。ハイファイブームに乗ってスピーカーボックスやアンプケースに製品の軸を移し、その後1980年代まで業務用音響機器メーカとして存続した。

掲載誌:電波科学1954.9(広告)

(所蔵No.11048)

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Nation GT管式5球スーパー 1954年頃

  

 

 市販品には少ないGT管を使った5球スーパー。6SA7-6SK7-6SQ7-6V6-5Y3 の構成。オールウェーブ用のキャビネットだが中波専用である。マジックアイの枠もあるが使用していない。コロムビアのフィールド型ダイナミック、大型トランス、トーンコントロールなど、音質にこだわったセットである。ブランドは見てのとおりの某社風である。

(所蔵No.11540)

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King Tone KT-867B型 マジックアイ付7球スーパー キングトーン工芸(株)  1954年頃 

  

TUBES: 6D6-6WC5-6D6-6ZDH3A-76-42-80-6E5, 6.5" Dynamic Speaker

 名古屋のキャビネットメーカーのキャビキットを組み立てたもの。高一付で、低周波段には電圧増幅が1段追加されている。
電源トランスは山水の本格的なハイファイ用のものが使われた、かなり高級なラジオである。

(所蔵No.11957)

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King Tone マジックアイ付5球スーパー キングトーン工芸(株) 1955年頃

  

TUBES: 6WC5-6D6-6ZDH3A-42-80BK-6E5, 6.5" Permanent Dynamic Speaker

 名古屋のキャビネットメーカーのキャビキットを組み立てたもの。脚のデザインなどに当時の最先端の流行を取り入れたユニークなデザインが特徴。ST管用のシャーシで、6WC5-6D6-6ZDH3A-42-80BK-6E5 のセットが組まれている。シャーシが大型のため、奥行きが長く、全体のバランスはあまりよくない。

(所蔵No.11452)

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ナショナル・ダイヤル使用高一付6球スーパー 1955年

  

TUBES: 6D6-6WC506D6-6ZDH3A-6ZP1-80, Electro-dynamic Speaker (Onkyo Model ED-625)

 Specialブランドの大型キャビネットを使用した高級なスーパー受信機である。マジックアイのフレームは付けられているが、マジックアイは取付けられていない。このセットには、ナショナル・ダイヤルが使われている。松下電器産業は組立ラジオ向けにダイヤル、IFT、コイル、真空管、スピーカなどの部品を供給していた。物品税を払わない組立ラジオはラジオメーカの強力なライバルであったが、松下はそのライバルを市場にしてしまった。したたかな戦略といえるだろう。

(所蔵No.11231)

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ベニス(VENICE) V-202型 マジックアイ付2バンド5球スーパー (株)老川工芸所 1955年 1,880円 (キャビキット)

  

  パネル左上のマーク

TUBES: 6WC5 6D6 6ZDH3A 42 80 6E5 , Permanent Dynamic Speaker (Stalet Model P-6, Yamamoto Metal Industry Co. Ltd.)

 Cabinelブランドで知られる老川工芸所のキャビキットを使用した5球スーパー。同社は、自家製乾燥機により含水率12%に管理して狂いのないことを売り物にしていた。日本短波放送開局直後に短期間見られた3.5-10Mcのバンドを備える。ピックアップ端子には、RCAピンジャックが使われている。このキャビネットのパネル左上には本来はメーカのブランドが入るが、このセットには「NHK」と「S」の文字を組み合わせたマークが付いている。
詳細は不明である。

掲載誌:無線と実験1955年2月

(所蔵No.11913)

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オンケン OS-120型 6球親子式インターホン・ラジオキット 1957年 小川無線電機(株)/無線枢機産業(株) 6,500円

 

  

TUBES: 6WC5 6D6 6ZDH3A 42 80 6E5, BC: 535-1605kc, 6.5" Permanent Dynamic Speaker

 ラジオ卸商社の小川無線電気(株)が企画して、ドン真空管の無線枢機産業に作らせたインターホン機能付き5球スーパー。普通のマジックアイ付5球スーパーに切り替えスイッチとブザー、通話用トランス(スピーカの出力トランスと同じもの)が追加されている。普段はスイッチを「ラヂオ」側に切り替えておき、ブザーで呼び出されると「受話」に切り替え、インターホンの時は「送話」と「受話」を切り替えて会話する。送話、受話のポジションは、ラジオを親スピーカ、子スピーカのどちらかから鳴らすように使うこともできる。同時通話はできず、インターホンとして通話する時は、プレストーク方式となる。スピーカを送話器に切り替えているように思える。ブザーと通話とアースの3線で配線されていたようである。

子機は失われている。

掲載誌: 小川卸商報 1957.7 No.352

(所蔵No.m11036)  長野県松本市、田中様寄贈

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再生式受信機


高一付4球ダイナミック受信機 1948年頃

  

TUBES: 6D6 6C6 6ZP1 12F, 8" Electro-dynamic Speaker (V-Star, 8"), BC only

 市販のキャビネットとアルミシャーシを使った高一受信機。無名メーカのダイナミックスピーカ、大き目のキャビネットと2バンド用ダイヤルを使用して高級な高一受信機としている。

(所蔵No.11518)

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高一付4球受信機 1949年頃

  

TUBES: 6D6-6C6-6ZP1-12F, Magnetic Speaker (Paper Framed, Million)

 紙フレームのマグネチック(Million)を駆動する標準的な高一受信機。
市販部品を組み合わせたと思われるが、このような受信機は、キットの形でも供給されていた。

(所蔵No.11228)

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並四球受信機 1949年頃

  

TUBES: 6C6-76-6ZP1-12F, Magnetic Speaker (Paper Framed)

 6.3V球を使ったグリッド再生検波、低周波2段の並四球受信機。国民型受信機と同じく紙フレームのマグネチックZ(TELEVIAN M-20型)を駆動する。戦後はこのような6.3V球を使用した並四受信機は商品としてはほとんど作られていないが、調整箇所がなく、安価で製作が容易なため教材用やラジオアマチュアの初心者向けのラジオとして多く自作された。しかし、このようにキャビネットに収められて実用として使われていたものは少ない。

 本機は紙箱入りの電解コンデンサがネズミに食い荒らされている。

(所蔵No.11379)

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小型4球受信機 1949年頃

  

TUBES: 6C6-6SL7-42-80HK, 5"Dynamic Speaker (Pioneer)

 手作りの高一付小型4球受信機。手製と思われるが販売目的かどうかは判断できない。配列は6C6-6SL7-42-80HK で、5インチのパイオニア製小型ダイナミックを駆動する。シャーシは汎用の穴あきシャーシを加工して使っている。6SL7はTUNG-SOL製で米軍の放出品である。高性能なGT管が安価に放出されたのでST管と混ぜて使うことがアマチュアの間では良く行われた。キャビネットは凝ったつくりで一品物ではないかと思われる。

(所蔵No.11483)

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IDEAL 5MK-1型 高一付4球受信機 1954-55年 2,300円(キャビのみ)

  

TUBES: 6D6-6C6-6ZP1-12F , 5" Permanent Dynamic

 現在でもケースメーカーとして有名な摂津金属工業の小型5球スーパー用キャビキットを使って高一付4球受信機を組んだもの。6D6-6C6-6ZP1-12F のごく普通の構成だが、キャビネットの都合で再生ツマミが付けられず、固定再生となっている。

掲載誌:角田卸商報No.20 1955.1

(所蔵No.11490)

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