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初期の真空管式受信機展示室

1925-28


CONTENTS

| 解説編  (別ファイル) | 鉱石受信機 (別ファイル) |型式証明受信機及び付属品 (別ファイル)

| アメリカ製セット日本製セット (更新)その他の国のセット |

参考文献

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 アメリカ製セット 


手作り品(Home Brew Set)


単球式受信機 1922年頃


Atwater Kent Manufacturing Co.


Atwater Kent Model 10A No.4550 高周波2段5球受信機  (1924) $104 (NEW)
Atwater Kent Model 20 No.4640  高周波2段5球受信機  (1924-26) $100
Atwater Kent Model 20c (Compact) No.7570  高周波2段5球受信機 (1925)  $ 80
Atwater Kent Model 20c (Compact) No.7960  高周波2段5球受信機 . (1926) $ 60
Atwater Kent Model 30 No.8000 高周波3段6球受信機  (1926-27) $105
Atwater Kent Model 35 No.8100 高周波3段6球受信機  (1926-27) $ 70 
Atwater Kent Model 33 No.8930 高周波3段6球受信機  (1927-28) $ 90
Atwater Kent Model 49 高周波3段6球受信機  (1928-29) $ 68  


The Crosley Radio Corporation


Crosley Model 51  2球再生式受信機 (1924) $18.50 
Crosley TRIRDYN REGULAR Type No.1121 3球再生検波レフレックス受信機 (1925) $50 
Crosley Super Trirdyn Special 3球再生検波レフレックス受信機 (1925) $60 
Crosley Model 5-50 5球再生式受信機  (1926) $50 

Crosley Super Musicone マグネチック・スピーカ The Crosley Radio Corporation (1925-27) $12.70 


Browning-Drake 式5球再生式受信機 1925年頃 

FADA model 169A kit  ニュートロダイン5球受信機 F.A.D.Andrea, Inc. (1924) $72 

Freed-Eisemann NR-5 ニュートロダイン5球受信機 Freed-Eisemann Radio Corp. (1923) $150
Freed-Eisemann FE-50 ホーンスピーカ Freed-Eisemann Radio Corp. (1924年頃) 

Gilfilan Model GN-1 ニュートロダイン5球受信機 Gilfillan Bros. Inc.  (1924) $175

Grebe Synchrophase MU1 ニュートロダイン5球受信機 A.H. Grebe & Co.,Inc.  (1925) $155 

Hammarlund Roberts 5球再生式受信機 Hammarlund Roberts Co. (1925) $60.85 (キャビネット別、キット)

Magnavox M-4型  ホーンスピーカ The Magnavox Company (1924) $25 
Magnavox 25型   高声器自蔵高周波2段5球受信機 The Magnavox Company (1925) $165


Radio Corpolation of America : RCA


Radiola III型2球受信機 (1924) 
Radiola III-A型4球受信機  (1924) 
Radiola Superheterodyne AR-812   (1924) 
Radiola 24 (AR-804) 6球ポータブルスーパー (1925) (「ポータブルラジオのはじまり」にリンク)
Radiola 26 6球ポータブルスーパー (1925-27) (「ポータブルラジオのはじまり」にリンク)
Radiola 25 (AR-919) 6球スーパー (1925-27) $165 
Radiola 20 AR-918 高一再生検波5球受信機 (1925-27) $115  

RCA Model FH Loud Speaker (1923-25) 
Radiola Loud Speaker UZ-1325 (1924-25) 
Radiola Loud Speaker Model 100 (UZ-915) (1925) $39 


Remler (Home brew set manufactured from Kit) 8球スーパー(201A使用) Gray and Danielson Mfg. Co. (1925年頃)
Remler (Home brew set manufactured from Kit) 8球スーパー(199使用) Gray and Danielson Mfg. Co. (1925年頃)

Silver-Marshall Shielded Six Type 630  高周波3段6球受信機 Silver-Marshall. Inc. (1926) $95(kit) 


Westinghouse Electric & Manufacturing Co.


Westinghouse Model RC  3球再生式受信機 Westinghouse Electric & Manufacturing Co. (1922) $130
Westinghouse Aeriola Sr. (Type RF) 単球再生式受信機 Westinghouse Electric & Manufacturing Co. (1922) $75.50 


ラジオ用アクセサリ


ループアンテナ メーカ不明(アメリカ製) 1924年頃 
Quali-Tone ループアンテナ Duro Metal Products Co.,  1924年頃 


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  日本製セット


単球式受信機 日本製 メーカー不明 1925年頃 
2球再生式受信機 日本製 メーカー不明 1925年頃 
3球再生式受信機 日本製 メーカー不明 1925年頃 
4球再生式受信機 日本製 メーカー不明 1925年頃 
RADIODYNE 5球ニュートロダイン受信機 GYOKUDENSHA/玉電社 1925年頃 
高周波2段5球受信機 メーカ不明 1925年頃 

アイフォンIII型(AI-PHONE) 受信機改造並四受信機  愛知時計会社 1925年頃、1930年頃1次改造、1935年頃2次改造 、150.00円 
トムフォン(Tomphone) 4号型 3球式受信機 東京無線電機(株)  1927年 
カワコ(Kawako) ホーンスピーカ メーカ不明 1927年 
ジュノラ(JUNOLA)6D型スーパーヘテロダイン受信機 芝浦製作所  1927年頃

2球再生式受信機 日本製 メーカー不明 1927年頃
3球再生式受信機 日本製 メーカー不明 1927年頃 
4球再生式受信機(福島県白河) 日本製 メーカー不明 1927年頃
ブローニング・ドレーキ式5球受信機 日本製 メーカー不明 1928年頃
ニュートロダイン改造4球レフレックス式受信機(松本市) 日本製 メーカー不明 1928年頃 
Halodyne 5球ニュートロダイン受信機 金萬電気商会 1929年 


  その他の国のセット


ATM "Claritone"  ーンスピーカ Automatic Telephone Manufacturing Co., Ltd. (1924) 


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アメリカ製セット 


単球式受信機 (アメリカ製 1922年頃)

  

バリコンと大型ソレノイドコイルを使った同調回路に3極管UV-201を使用したグリッド検波器をつないだだけの単球受信機。
もっともシンプルな真空管式受信機といえる。端子類がパネル面に並び、フィラメントの灯り具合を見るための穴が開いているデザインは1920年代前半まで良く見られたスタイル。

(所蔵No.11335)

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Atwater Kent Model 10A No.4550 高周波2段5球受信機 Atwater Kent Manufacturing Co.   (1924) $104

 

TUBES: 5- UV-201-A

Atwater Kent社は、ラジオの各ステージを円形のユニット化したパーツを販売していた。アマチュアはユニットを買って板に並べて配線するだけでラジオを組み立てることができた。このModel 10は、自社で完成品のラジオとして組み立てて販売したもので、回路規模によっていくつかの種類がある。当時、アマチュアはパン生地をこねる板を雑貨屋で購入してラジオのシャーシにしたため、このような形態のラジオのことを「ブレッドボード・セット」と呼んだ。現在でも電子回路の実験用の基板のことをブレッドボードと呼ぶのはこれが語源である。この機種は、日本でラジオ放送が始まる前に製造されなくなったため、日本には輸入されていない。

本来、組み立て用のパーツとして発売していたものを完成品としたのは、放送が開始されてラジオの需要が増えたからに他ならない。実験を目的とするアマチュアであれば、ブレッドボードに部品を並べただけのラジオが使いやすいが、ラジオが家庭に入って専門知識のない女性や子供が扱うようになると、部品がむき出しのラジオでは取り扱いが難しく、危険ですらある。特に、部屋をきれいに保たねばならない家庭の主婦には不評だった。このため、同社は、このラジオの内容をスマートなケースに収めたModel20を発売するのである。

(所蔵No.11076) 柴山 勉コレクション

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Atwater Kent Model 20 高周波2段5球受信機 Atwater Kent Manufacturing Co. (1924-26) $100

  

  

TUBES: 5- UV-201-A

 Atwater Kent 社は、ラジオの各段をユニット化したものを板の上に並べた、通称「ブレッドボード」、Model 10 が良く知られている。1920年代初頭にアメリカのラジオファンの間で人気となったセットだが、ラジオが一般家庭に普及してくると、扱いにくい部品がむき出しのブレッドボードは嫌われるようになり、同社は1924年に同じ回路でシンプルなマホガニー製ケースに収めた20型を発売した。ブレッドボードも継続販売されたが、これ以降同社の主流はシンプルかつコンパクトなケース入りセットとなった。真空管は、UV-201の電流を1/4にした201-Aを採用し、高周波2段増幅、低周波2段の5球である。3極管しかない時代、ラジオの感度を上げるには高周波増幅の段数を増やすしかなかった。高周波の多段増幅を安定にする方法に、ハゼルチンのニュートロダイン法がある。アットウォーターケントは、この特許を避けるために、補償コンデンサを使うニュートロダインに対して、格段のグリッドに直列抵抗を入れる方法をとっている。構造はブレッドボードをパネルに付けたようになっていて、シャーシに相当する板は存在しない。同社は扱いやすいケース入りセットを追加したことで生産を大きく伸ばした。

シンプルなデザインで比較的安価だったModel 20は、当時ベストセラーになったが、平凡で特徴のないデザインは現在のアンティークラジオ市場では不人気である。回路は同じでありながら、メカニカルな美しさと個性があるブレッドボードのほうがはるかに人気があり、現在の取引価格も高価である。

(所蔵No.11887)

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Atwater Kent Model 20c (Compact) No.7570 (初期型) 高周波2段5球受信機 Atwater Kent Manufacturing Co. (1925) $80
Atwater Kent Model 20c (Compact) No.7960 (後期型) 高周波2段5球受信機 Atwater Kent Manufacturing Co. (1926) $60

  

  初期型(7570)の内部を示す

TUBES: 5- UV-201A (for No.7570), 5- UX-201A 'for No.7960)

 20型(4640)の中身をそっくり半分の容積のキャビネットに収めたモデル。銘板は同じModel 20となっているが、20cまたは20 Compact と呼ばれて識別される。ゆったりした20型に対して、かなりぎりぎりに収められていることがわかる。No.7570の型番を与えられた初期型は1年で16万台あまり販売されたが、翌年には新型のUX-201Aに対応してソケットを変更したNo.7960にモデルチェンジされた。内部の配置や外観に大きな変更は無い。No.7960は1年で8万2千台あまり製造され、20c全体では25万代近い台数となった。

(所蔵No.11888/889)

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Atwater Kent Model 30 高周波3段6球受信機 Atwater Kent Manufacturing Co. (U.S.A. 1926-27) $105

  

TUBES: 6- UX-201A

 アメリカの大手メーカ、アットウォーターケントのストレート受信機。高周波3段低周波2段の6球で、真空管はUX201-Aを使用している。3極管しかない時代、ラジオの感度を上げるには高周波増幅の段数を増やすしかなかった。この機種は、高周波2段の20c型の感度を改善するために初段に高周波増幅を1段追加したものだが、初段は非同調となっているため、効果は低い。高周波の多段増幅を安定にする方法に、ハゼルチンのニュートロダイン法がある。アットウォーターケントは、この特許を避けるために、補償コンデンサを使うニュートロダインに対して、格段のグリッドに直列抵抗を入れる方法をとっている。当時は2連、3連というバリコンがなかったので、ラジオの操作は非常に難しかった。同社は、バリコンを金属ベルトで連結することでシングル・コントロールを実現した。また、同社製品は非常にコンパクトにまとめられているのが特徴である。この機種でも、部品はぎりぎりのレイアウトにまとめられ、干渉を防ぐためにコイルの角度を90度づつ変えている。モデル30は1年で10万台を超えるベストセラーとなったが、他社からもシングル・コントロールの製品が発売されたため、発売後2ヶ月で$86に値下げされた。シングルコントロールの新型を出すに当たって、同社では、旧型の20cの在庫を大量に抱えていた。30型の配置は20cとほとんど変わらないため、旧型の在庫を解体し、部品を再利用して30型を生産したという。

(所蔵No.11466)

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Atwater Kent Model 35 No.8100  高周波3段6球受信機 Atwater Kent Manufacturing Co. (1926-27) $70 

  

 

 TUBES: 6- UX-201A

 アットウォーター・ケント社が、低価格とするために、鉄板をプレスしたキャビネットを採用した最初のモデル。回路は30型とほぼ同じ高周波3段低周波2段の6球式である。ただし、サイズとコストを抑えるため、ブレッドボード時代から続いた樹脂製の枠型を廃止し、金属フレームを使用したバリコンに変更した。キャビネットを鉄板プレスとしたことによるコストダウンの効果は大きく、30型が$100を超えていたのに対して、$70の低価格を実現できた。シャーシはキャビネットの天井から逆様に吊られている。ソケットの精度が高くなければとても実現できない構造である。同社はこのモデルで1926年12月に通産100万台の生産を実現した。このセットには、1007904のシリアルが刻印されている。35型は同社の電池式受信機の中で最多の生産台数32万台を記録している。帆船メイフラワー号のレリーフを天板に刻印した金属キャビネットのデザインは、1927年12月に発売された交流式受信機37型に引き継がれている。

(所蔵No.11893)

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Atwater Kent Model 33 No.8930   高周波3段6球受信機 Atwater Kent Manufacturing Co. (1927-28) $90
Atwater Kent Model 49          高周波3段6球受信機 Atwater Kent Manufacturing Co. (1928-29) $68

  
  49型の外観と内部(下)
  

 TUBES: 6- UX-201A

 アットウォーター・ケント社は、30型の感度を改善するために、高周波増幅を1段追加した32型を発売したが高価で人気が無かった。このため、同社は6球式の30型の初段に同調回路を追加した33型を発売した。サイズとコストを抑えるため、35型から採用された、金属フレームを使ったバリコンを使用している。コイルもビノキュラー型の新しいものが採用された。 この機種が発売された1927年にはRCAから初の交流受信機Radiola 17が発売された。ケント社は33型を交流球に変更して外部電源を付けた36型を投入して対抗したが、これは間に合わせに過ぎなかった。同年末には本格的な金属キャビネットの交流機37型、翌年にはベストセラーとなる40型が発売された。電池式受信機は急速に過去のものになったが、同社は33型のパネルの仕上げやツマミの色を変更し、49型とした上で大幅に値下げして1929年まで継続した。銘板や外観の細部が異なるが、基本的に33型と同じものである。

(所蔵No.11890/891)

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Westinghouse Model RC  3球再生式受信機 Westinghouse Electric & Manufacturing Co. U.S.A. 1922年 $130

  

   

 TUBES: 3- UV-200/UV-201/UV-201-A/WD-12 (RCA Radiotron)

 アメリカで世界最初に設立された放送局、KDKAの母体であるウェスチングハウス社が放送開始時に1921年末に発売した初期のラジオ受信機。独立した製品として販売されていたRA型チューナと当時の最新技術であった再生検波を採用したDA型検波増幅器を1つのケースに収めたもの。この機種は"for Short-Wave"となっているが、受信周波数帯は180-700m(428-1700kHz)で、現代の中波帯に相当する。当時は波長8,000-20,000m(15-37.5kHz)を長波、1,000-8,000m(37.5-300kHz)を中波、1,000m(300kHz)以下を短波と呼んでいて、現代とは異なる。本機は1922年製の後期型だが、1923年に販売元がRCAに移行したために蓋の裏にRCAのライセンス・ラベルが貼ってある(下段写真右)。本来の銘板には"Licensed for amateur and experimental use only"となっているのに対し、後から追加された銘板には"Licensed for amateur, experimental and entertainment use and only extent indicated in attached notice"と記載されている。放送が開始されたことで"entertainment"などの新たな用途が現れたためと思われる。

(所蔵No.11806)

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Westinghouse Aeriola Sr. (Type RF) 単球再生式受信機 Westinghouse Electric & Manufacturing Co. (1922) $75.50

  

 

TUBES: WD-11 (RCA Radiotron, later type), A: DC1.5V, B: DC22.5V

 ウェスチングハウスが発売した単球受信機。鉱石受信機であるAeriola Jr. の上位機種に当たり、真空管式セットではもっとも簡単なもの。バリコンはなく、同調用固定コンデンサと、同調、再生が一つのボビンに巻かれたバリオカプラで構成される。真空管は、乾電池用のWD-11を1本使用する。低電圧で使えるこの球により、小型のA/B乾電池1個ずつで動作させることができる。
本機の価格は、本体にバッテリー、ヘッドフォン、アンテナキットを含んだものである。まだ放送開始後間もない時期のため、単球受信機といっても高価である。当初ウェスチングハウス自身から発売されたが、1922年以降はRCAが販売するようになったため、ラベル下部にRCAの名前が入っている。この初期モデルのパネルは木製に真鍮の文字盤を組み合わせているが、後期型ではベークライトの文字盤一体型のパネルに変更された。1922年12月に、ブランドがRCA Radiolaに統一されたため、本機の型名は"The Radiola Senior" に変更され、1924年まで製造された。

本機には、後期型のWD-11が取り付けられている。WD-11は、大幅に途中で小型化されたため、本来は球の先端が1インチほどパネルから出る設計だったが、完全にもぐってしまっている。このため最終型でパネルの穴が拡大された。現状では、パネルを外さない限り真空管を抜くのは不可能である。

このセットには、1977年に持ち主がRCAに寄贈を申し出たらしく、ニューヨークのRCA本社から、自社のコレクションがあるとの理由で丁重な断りの手紙が添えられていた。

(所蔵No.11983)

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FADA model 169A kit ニュートロダイン5球受信機 F.A.D.Andrea, Inc. (1924) $72

 

 

TUBES: UV-201A X5

 真空管のフィラメント用のぞき穴を持つ、典型的な初期のニュートロダイン受信機。補償コンデンサによる中和により多段高周波増幅を実現するニュートロダイン方式には、ハゼルチンの特許が存在した。しかし、アマチュアの実験はこの特許の実施範囲から除外されていたため、多くのメーカがキットの形で販売した。このFADAのセットもキットで供給されたもので、ニュートロダイン特許の実施を示すプレートがない。

本機は、真空管が失われている。

(所蔵No.11932)

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Freed-Eisemann NR-5型  ニュートロダイン5球受信機 (1923 U.S.A.) $150
Freed-Eisemann FE-50型 ホーンスピーカ Freed-Eisemann Radio Corp. (1924年頃)

  

  

TUBES: UV-201A X5

3極管の電極間容量Cp-gを補償するために小容量のコンデンサを使用することで多段の高周波増幅を可能にした回路を「ニュートロダイン」方式といい、アメリカのハゼルチンが特許を取り、ラジオの感度を向上させるために広く使われた。 このフリードアイズマン社のNR-5型は初期のニュートロダイン受信機の代表的なもので3極管UV-201を5本使用し、高周波2段、グリッド検波、低周波2段の構成である。補償コンデンサ(ニュートロドン)は真空管のばらつきに対応するために可変式となっている。シャーシの写真の右手前に見える細長いものがニュートロドンで、絶縁チューブを巻いた電線に金属の筒をかぶせ、その位置を変えて容量を変化させるものである。

 後に5極管が広く使用されるようになってニュートロダイン方式は使われなくなったが、補償コンデンサを使う回路はトランジスタの発振防止用に現代のLSIの内部にも使用されている。

(所蔵No.11422/10044)

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Crosley Model 51  再生検波2球受信機 The Crosley Radio Corporation 1924年 $18.50

  

TUBES: 2- UV-201A

 低価格のセットを得意としたアメリカ、クロスレー社の2球受信機。端子がフロントパネルに付いた古いデザインである。RCAのRadiola IIIのライバルといえるセットで、当初は同じ価格($35)で発売されたが、量産により半額近い価格に値下げされた。再生検波+低周波1段で、レシーバを駆動する。コストを下げるために同社独特のブック型バリコンが使われている。本機は1924年7月にマイナーチェンジした後期型モデルである。51型は20万台近く生産されたという。スピーカを駆動するために、専用のアンプ 51A型が用意されていた。

(所蔵No.11804)

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Crosley TRIRDYN REGULAR Type No.1121 再生検波3球レフレックス受信機 The Crosley Radio Corporation 1925年 $50

  

 

TUBES:3- UV-201A

 アメリカの大手メーカ、クロスレーの3球受信機。高周波増幅と低周波増幅を兼用するレフレックス方式と再生検波を採用して少ない真空管で高い性能を実現した。安価なセットでありながら高品質な部品が使われ、部品配置が合理的である。同社はこの方式のラジオを"TRIADYN"と呼んだ。真空管は三極管UV-201Aを使用している。この機種は1924年にTrirdyn 3-R-3型として$65で発売された。翌1925年にはキャビネットが豪華なTrirdyn Special の追加にあわせてTrirdyn Regular と呼ばれるようになり、$50に値下げされた。初期の3-R-3型とはツマミの配置などが異なる。安価でシンプルなこのシリーズのセットは当時日本に多数輸入され、日本のメーカによるコピー品も数多く作られた。

(所蔵No.11719)

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Crosley Super Trirdyn Special The Crosley Radio Corporation 1925年 $60

  

 

TUBES: 3-UX-201A,

 1925年9月にTrirdyn シリーズはモデルチェンジされてSuper Trirdyn と称する様になった。これは最高級のSpecial 型である。旧型のシンプルなデザインからより大型で豪華なキャビネットに変更された。回路的には大きな変更はなく、レフレックスと再生検波を併用して3球で5球ニュートロダイン並みの性能を出すことを謳い文句にしていた。シャーシはより小型化され、合理的な構造となってる。中身に似合わない大きなキャビネットは、省電力型の真空管201Aが普及したことで電源を乾電池とすることが多くなり、電池をキャビネットに収めるようになったためである。

(所蔵No.11464)

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Crosley Model 5-50 5球再生式受信機 The Crosley Radio Corporation 1926年 $50

  

TUBES: 5-UX-201A,

クロスレー初のシングルコントロールセット。バリコン3個をシャフトでつないでドラムダイヤルを採用した。部品が安くなったためか、それまでのレフレックスをやめ、高周波1段、低周波2段の5球再生式となっている。再生式なので、アームストロングの特許を使用している旨がラベルに記載されている。同様のドラムダイヤルを採用したRCAのRadiola 20のように大きく傾斜したパネルとなっている。回路構成がほぼ同等のRadiola 20に比べると半額以下の低価格で発売された。

非対称のデザインのバランスを取るのは難しい。この機種ではダイヤルとスイッチのエスカッションがキャビネットの飾り枠に接してしまっている。もう少しバランスのとれた配置にすることは可能だったのではないかと思われるが、バランス良く配置された内部のレイアウトに合わせてパネルに穴を開けた形になっているため不格好なセットになった。

(所蔵No.11A079)

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Crosley Super Musicone マグネチック・スピーカ The Crosley Radio Corporation (1925-27) $12.70 

  

 クロスレーのマグネチック・コーン型スピーカ。鋳物の台座以外のフレームはプレスで量産され、低価格を実現した。Super Musicone は、16インチの大型のモデルである。Standard Musicone として12インチのモデルが標準型として存在した。当時主流のホーンスピーカに対して音質の良さを宣伝していた。比較的低価格だったため、クロスレーの受信機とともに日本にも多く輸入された。

本機は、コーンの変形および脱落が見られる。

(所蔵No.10076)

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Gilfilan Model GN-1 ニュートロダイン5球受信機 Gilfillan Bros. Inc. (1924)  $175 (without tubes)

  

  
  ハゼルチン特許のライセンスプレート(左)と、長野県の販売業者の銘板(右)

TUBES: 5- UV-201A

 カリフォルニアで創業した電気部品メーカ、ギルフィラン兄弟社が最初に作ったラジオセット。ハゼルチンのニュートロダイン特許のライセンスを受けただけでなく、技術導入も行ったため、典型的なニュートロダインセットに仕上がっている。幅60㎝の大柄なセットの正面には3つの扉があり、左側の乾電池室前の扉の中には周波数チャートが、右柄の扉の中には電源操作パネルとメータが収められている。同社はGN-1の発売直後に廉価版のGN-2($140)を発売したため、GN-1は売れ残ってしまった。一説によると、この頃、ちょうど放送が始まったばかりの日本に売れ残りのGN-1がまとめて輸出されたという。このため、このモデルは現在アメリカではほとんど見ることはないが、日本には数多く残っている。アメリカで$175で発売されたこのモデルが日本では\400-500程度で販売された。ラジオラスーパーヘテロダイン(\900程度)に比べれば半額くらいだが、国産や廉価な輸入ニュートロダインセットが250-350円程度だったことを考えるとかなり高級なセットである。舶来セットとしてポピュラーだったこの機種のキャビネットの扉や蓋にみられる模様は、多くの国産キャビネットに模倣された。

本機には、写真に示すように、長野県上諏訪のFUJIMORI ELECTRIC という会社の銘板が付いている。
電気年鑑昭和8年版の名簿には、電気諸機械設計、工事請負業として、上諏訪町 藤森喜代志商店(創業明治45年)の記載がある。銘板の英文表記とは一致しない点もあるが、この会社が扱ったものと考えるのが妥当と思われる。

本機は、真空管および、左右の扉のツマミが失われている。

(所蔵No.11974)

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Grebe Synchrophase MU1 ニュートロダイン5球受信機 A.H. Grebe & Co.,Inc. (U.S.A. 1925) $155

   

 アメリカ、グレーべ(発音はグリービーとなる)社の高級受信機。ニュートロダイン方式の高周波2段低周波2段の5球受信機で、真空管はUV-201Aを使用している。同社のラジオは、ローロスバリコンを垂直に配置するレイアウトに特徴があり、この機種は3つのバリコンがチェーンで連結され、連動するようになっている。コイルには、リーケージ低減を狙ったビノキュラー(Binocular:双眼鏡の意)コイルが使われている。個性的でデザイン、レイアウトともに美しいセットである。

(所蔵No.11465)

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Hammarlund-Roberts 5球再生式受信機キット Hammarlund-Roberts Co. (1925) $60.85 (キャビネット別、キット)

  

 TUBES: 5- UX-201-A
 後に通信型受信機のトップメーカーとなるハマーランド社が製造した5球再生式ラジオ。キットで供給され、ハマーランド社自身が製造したバリコンを始め信頼性の高いメーカの部品を組み合わせていた。本機はベルベット・バーニヤ・ダイヤルを使用しているが、広告にはホットケーキ・ダイヤルを使った絵が掲載されている。キャビネットは別売となっていた。本機は、手作りの粗末なキャビネットに収められている。

(所蔵No.11814)

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RCA Model FH Loud Speaker Radio Corpolation of America : RCA (1923-25) $36.50

 

 RCAは、レシーバ式のものか、ホーンスピーカを自蔵したラジオを多くラインナップしていたが、1923年モデルから、スピーカを持たないセットを多く発売するようになり、スピーカが必要になった。このFH型スピーカは、RCAブランドで最初に発売されたホーンスピーカである。口径が約35㎝ある大型スピーカである。実際の製造はウェスチングハウス社で行われたが、複雑な構造が災いして生産性が低く、製品の供給にも問題があった。このため、GEが生産した一回り小型のUZ-1320型が用意され、同じ価格で併売されるようになった。UZ-1320型は1924年9月に改良型の低価格モデルUZ-1325型にモデルチェンジされたが、FH型は大型の上位モデルとして1925年2月まで販売が継続された。このため、多くの種類のRadiola受信機と組み合わせて使用された。

(所蔵No. 10067)

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Radiola III型2球受信機 (1924 U.S.A.) Radio Corpolation of America : RCA $35.00

  

TUBES: 2- WD-11

小型真空管WD-11を2本使用するシンプルな受信機。アメリカでは$35と比較的低価格で発売された。バリコンではなく、コイルの角度を調整するバリオカプラで同調する。バンドは中波帯とほぼ等しい220-50mである。スピーカーを鳴らすには別売の2球式アンプ($30)を接続する必要がある。アンプ部を内蔵した4球のIII-A型($65)もあった。このシリーズはRCAのボトムエンドを構成し、50万台近く生産されたという。

本機は底板が失われている。実際には右の写真のように内部を見ることはできない。

(所蔵No.11280)

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Radiola III-A型4球受信機 (1924 U.S.A.) Radio Corpolation of America : RCA $65.00

  

TUBES: 4- WD-11

 ラジオラIII型に、2球のアンプ部を追加してひとつのキャビネットに収めたモデル。スピーカを直接鳴らすことができる。高周波部はIII型とまったく同じである。真空管は、三極管WD-11を4本使用する。電源はA電池が4-6V、B電池が90V、C電池4.5Vの3種類の電池を必要とする。本体は小型だが電池、スピーカ、アンテナ、アースを含めたシステムはかなり大掛かりなものになる。

本機は、真空管が失われている。

(所蔵No.11460)

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Radiola Superheterodyne AR-812 (1924 U.S.A.) Radio Corpolation of America : RCA

 

  
  シャーシは簡単に前側に倒せるようになっている。
                 内部の注意書き

TUBES: 6- UV-199

古典ラジオを代表する高級受信機。メーカ品としては世界初のスーパーヘテロダイン方式を採用したセットといわれる。低消費電力真空管UV-199の使用により乾電池で動作する。乾電池を左右の箱に、ループアンテナをシャーシ後ろに内蔵し、スピーカを除いて外部接続なしに聴くことができたため、幅60cnを超える大型機にもかかわらずハンドルを備え、一応「ポータブル」受信機とされた。カタコムと呼ばれる金属ケースに回路を密封している構造に特徴がある。この受信機にはラジオラの2桁のナンバーは与えられなかった。アメリカでは$269、日本では850-950円と、家が1件建つほどの価格で販売された。

アメリカではこの高級受信機が1年間で10万台も生産された。

(所蔵No.11408)

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Radiola Loud Speaker UZ-1325 Radio Corpolation of America : RCA (1924-26) $25.00(1924)

 

 AR-812型と同時代に発売されたホーンスピーカ。AR-812だけでなく、同時期の多くのRadiola受信機と組み合わせられた。RCAが発売したホーンスピーカの最後のモデルであり、翌25年には100型コーンスピーカ(UZ-915)が発売された。新しいコーンスピーカは35ドルと高価だった。このためUZ-1325は、25年2月に価格を18ドルに値下げして1926年末まで販売が続けられた。

(所蔵No.10066)

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Radiola 25 (AR-919) 6球スーパー Radio Corpolation of America : RCA (1925-27) $165

  

 

 AR-812に続く、2世代目のラジオラ・スーパーヘテロダイン。回路はAR-812と同じセカンド・ハーモニクスを使うオートダイン式コンバータの6球スーパーである。真空管はUX-1995本と出力管UX-1201本を使用している。旧来の”Catacomb"に回路が納められた構造は同じだが、ソケットがUVからUXに変更されている。同調と局発のダイヤルはクラッチ付のカップリングで結合され、簡単に連動と独立した操作を行うことができた。このダイヤルをRCAでは”Thumbwheel Dia”と呼んだ。ドラムには放送局のコールサインを鉛筆で記入することができた。このセットは、専用のループアンテナを天板中央のコネクタに接続して使用する。バッテリーをキャビネット左右に内蔵するため、幅90cm近い巨大なラジオである。スピーカは古いホーン型のUZ-1325の他に、同時に用意されたコーンスピーカ、モデル100,102,104から選ぶことができた。この上のクラスには8球の28型があった。この25型は9万4000台あまり生産されたほか、同じ回路で構造が異なるシャーシが電蓄組込み用に生産された。

(所蔵No.11721)

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Radiola 20 AR-918 高一再生検波5球受信機 Radio Corpolation of America : RCA (U.S.A. 1925-27) $115(発売当初)

  

 

 RCAのローエンドモデルとなるTRF受信機。UX-1994本で、高周波1段と検波、低周波増幅2段を構成し、UX-120でスピーカを駆動する。キャビネットのデザインは上級機の25,28型スーパーと共通である。左に選局、右にバリオカプラーによる再生用のドラム型ダイヤルにまとめられた操作系は扱いやすかった。シングルコントロールとするためバリコンはカップリングで連動し、バリコンは周波数直線型であった。ドラムには放送局のコールサインを鉛筆で記入することができた。正面パネルのツマミは各高周波段微調用のバリコン2個と、フィラメント調整用のレオスタット2個である。右端のジャックは、フィラメントチェック用の電圧計をつなぐためのものである。

本機は13万台以上生産されたという。

(所蔵No.11717)

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Radiola Loud Speaker Model 100 (UZ-915) Radio Corpolation of America : RCA (1924) $39

 

 Radiola 2025と組み合わせられるスピーカ。RCA初のマグネチック・コーンスピーカである。金属性キャビネットに12インチのユニットを収めている。"Electrical TOne Clarifier" と呼ぶフィルタを備えている。このスピーカは、1927年に小型の100-A型にモデルチェンジされた。

(所蔵No.10045)

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Magnavox M-4型 ホーン・スピーカ The Magnavox Company (1924) $25

   

 口径28cmの、アメリカ製のものとしては比較的小型のホーン・スピーカ。マグネチック・スピーカであるが、同社はこれを"Semi-dynamic"と称して、エキサイト用の電源が必要なダイナミック型より扱いやすいことを売りにしていた。手ごろな大きさと比較的低価格であったこのモデルは日本に多く輸入された。

(所蔵No.10065)

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Magnavox 25型 高声器自蔵高周波2段5球受信機 The Magnavox Cmpany (1925) $145

  
                                                  向かって左が出力端子、右がA電池をつなぐ端子。
   
   抽斗型のシャーシ                          シャーシのケースに表示された銘板

 ホーンスピーカの老舗、マグナボックスのラジオ。高周波2段低周波2段の5球受信機である。真空管は201-Aを使用する。ただし、同社から、防振型の特殊な同等管が発売されていた。後に一般的になるギャング型3連バリコンを使用することで完全なシングルコントロールを実現しているのが特徴である。また、バッテリーケーブルとシャーシの接続は、丸型の多ピンコネクタが使用されている。このため、シャーシが小型にまとめられ、当時の電池式受信機とは一線を画す、後の世代の受信機に近いレイアウトとなっている。シャーシは抽斗状の木製ケースに収められている。このD型シャーシは同社の他機種と共通化され、改良時に簡単に入れ替えられるように考えられていた。シャーシ部を独立した筺体に収めた構造は振動に強く、当時としては珍しくホーンスピーカを同じキャビネットに内蔵している。A電池は外部から接続し、B電池はスピーカ部に収納する。

(所蔵No.11722)

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Browning-Drake 式5球再生式受信機 1925年頃 アメリカ製

  

 

 TUBES: 5- UV/UX-201A

 National Co., Inc.製のブローニング・ドレーキ特許による特殊な高周波トランス(内部右端)を使用した高一低三の5球受信機。高周波増幅にニュートロダイン方式を採用している。高周波トランスは内側に再生コイルを持つ。ニュートロダインと再生検波という、2大特許に抵触する可能性のあるブローニング・ドレーキ式は、主要なメーカが製造することは無かった。これらの特許はアマチュアの実験、研究に限っては使用が許されていたため、キットやパーツの形で供給されたものをアマチュアが組み立てたものが多い。このセットもそのひとつと思われる。

(所蔵No.11818)

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Remler (Home brew set manufactured from Kit) 8球スーパー Gray and Danielson Mfg. Co. (U.S.A.) (1925年頃)

 

 

TUBES: 8- UV-201A

 アメリカでは放送開始直後、放送局が数百も乱立し、周波数の配分が不明確だったために混信が多発した。このためスーパーヘテロダインが流行したがスーパーラジオを製造するには、RCAにアームストロング特許のロイヤルティを支払う必要があった。しかし、同社はアマチュアの実験に対しては特許の範囲外としたために、多くのメーカがスーパーの部品やキットを発売した。レムラーは、その中の代表的なブランドで、"clamshell" 型の特徴あるバリコンと低周波トランスのような形状のIFTが有名である。このバリコンは、内臓のギヤで直線性と微動ダイヤルを実現する凝ったものである。

 本機はレムラーのキットを使って組み立てられた典型的なセットで、中間周波3段(I.F.は45kc)、低周波2段の8球スーパーである。白い専用のダイヤル目盛板と、メータを配したデザインがレムラー式スーパーの特徴である。このセットの操作はかなり難しい。左右に2つの独立したバリコンと、中央下段に各段のフィラメント用レオスタットがあり、メータの両脇にIF段のグリッドバイアス調整と第一検波のバリオカプラの調整つまみがある。そのため、チューニング確認用のメータかランプが設けられた。メータを複数取り付けてバッテリーのモニターに使う場合もあった。

 8球スーパーともなるとどうしても巨大なセットにならざるを得ない。このセットの幅も70cmを超えている。このセットはアメリカで組み立てられたものだが、レムラーのパーツは日本にも輸入された。8球スーパーは当時としては最も贅沢なラジオのひとつであった。

本機は真空管が失われている。また、動作試験のため、C電池の代わりに単一型乾電池が付けられている。

(所蔵No.11927)

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Remler (Home brew set manufactured from Kit) 8球スーパー Gray and Danielson Mfg. Co. (U.S.A.) (1925年頃)

 

 

TUBES: 6- UV-199

 上のセットと同じ構成のレムラー社のキットを使った8球スーパーである。低消費電力の199を採用したことで、電源に乾電池を使えるようになった。小型の199を使ってもキャビネットは巨大だが、後ろ半分が電池ケースとなっている。また、このセットはレオスタットの数が減らされ、第一検波の調整はセット内部に納められて半固定式となっている。操作を少しでも簡単にするための工夫が施されている。

本機は、真空管が失われている。

(所蔵No.11927)

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Silver-Marshall Shielded Six Type 630 高周波3段6球受信機 Silver-Marshall. Inc. (1926) $95(kit)

 

  

  

TUBES: 6-201A

 アメリカの高級受信機メーカ、シルバーマーシャルのTRFセット。高周波段はステージごとにアルミ製のケースで厳重にシールドされている。この構造はShielded Sixの名前の由来ともなり、同社の製品の特徴である。高周波特性が安定しているためプラグインコイルによるバンド切替により、オールウェーブ受信が可能になっている。真鍮製の美しいバリコンは高周波部がリンク機構で連動し、スムーズな同調が可能になっている。大型のトランスにより低周波特性も良好だが、金属製シャーシを含め、これらの特徴により、非常に重いセットとなっている。銘板には、アームストロング特許の適用除外となっているアマチュアと実験用に限るという表示がある。特許料の支払いを逃れるため、同社の製品の多くがキットとして供給された。この製品も例外ではない。高性能な高級機だが、キットのため、RCAなどの完成品よりは割安である。

(所蔵No.11938)

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ループアンテナ メーカ不明(アメリカ製) 1924年頃

 

 初期のラジオに使われた典型的なループアンテナ。角形のループを回転することができる。日本でも電波の強い地域で使われた。この形のループアンテナとラッパ型のスピーカが当時のラジオを象徴する形だったため、多くのイラストなどに描かれている。

(所蔵No. 10096)

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Quali-Tone ループアンテナ Duro Metal Products Co.,  1924年頃

 

 比較的コンパクトなアメリカ製ループアンテナ。指向性があるので回転させて感度の良いところを探す。
高さはあるが、幅を抑えているので回転させる時には使いやすかっただろう。

(所蔵No. 10097)

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日本製真空管式受信機


単球式受信機 日本製 メーカー不明   1925年頃

  
   正面の写真(左)と、天部のマーク(右)
 

TUBE: UV-201/A

 形式証明時代の、初期の国産ラジオの特徴を残す単球受信機。パネルのデザインは川喜多B-10(形式証明八号)の左右を逆にしたものに近い。天部に写真のような"RADIO"の文字をホーンスピーカ型に図案化したマークがあり、メーカ品と思われるが、箱、パネルなどの造りは粗雑である。本来、波長切り替えを持つ再生のない単球受信機だったが、感度を上げるためにバリオカプラを使った再生式に改造されている。パネルのフィラメント確認用のぞき窓の位置から、本来はUV-201/Aを使っていたと思われるが、消費電力を下げるためにUV-199に改造されていた。

当館で、真空管ソケットをUV型に交換し、UV-201(Radiiotron) を取り付けた。

(所蔵No.11A001)

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高周波2段5球受信機 メーカ不明 1925年頃

  

UV-201類似の国産球(フィラメント4V TSV ブランド)

高周波2段、低周波2段の5球式受信機。再生は使用していない。七欧商会のハネカムコイル、坂本製作所製と思われるトランスなど、国産の部品で組み立てられている。真空管は初期の真鍮ベースで天部に封口を持つ初期のタイプで、TSVのマークがある。一見UV-201Aのように見えるが、フィラメントが4V 0.25A で、円筒型のプレートを持つ独自規格の国産真空管である。バッテリーケースを背面に持つ珍しい構造のキャビネットに収められている。

本機は、蓋と真空管が1本失われている。

(所蔵No.11977)

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2球再生式受信機 日本製 メーカー不明   1925年頃

  

TUBES: 2- UV/UX-201A

グリッド検波+低周波1段の最小限の規模の真空管式セット。
使用されている部品の特徴から、放送開始の頃の初期のセットと思われる。

本機は、パネルを押さえる桟が失われている。

(所蔵No.m11033)   旧ふくやまラヂオ博物館コレクション

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3球再生式受信機 日本製 メーカー不明   1925年頃

  

TUBES: 3- UV-201A

 放送を開始した頃の小型3球受信機。スパイダーコイルの角度を変えて再生調整を行う。
写真左側の低周波トランスは昭和初期に交換されたものである。

(所蔵No.11605)

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4球再生式受信機 (日本製 メーカー不明 1925年頃

 

 

 大正期の特徴を残す放送開始時の4球受信機。UV-201Aを4本使用する。輸入品を含む高級な部品を使ってしっかりと作られている。ソレノイドコイルにスパイダーコイルを組み合わせて再生をかけている。

当初ニュートロダインを組むつもりで計画が変わったのだろうか。右端のバリコンは接続されず、遊んでいる。

(所蔵No.11212)

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RADIODYNE 5球ニュートロダイン受信機 GYOKUDENSHA/玉電社 1925年頃

 

  

TUBES: UV-201A UV-201A UV-201A UV-201A UX-112A

 放送開始初期の日本製ニュートロダイン受信機。教科書どおりの典型的なレイアウトである。低周波トランスは失われているが、他の部品は主に国産品が使われている。メーカは、長野県諏訪郡平野村(現長野県岡谷市)にあった会社と思われる。

中央のツマミはオリジナルではない。パネル左下が割れているが、布を当てて木材で裏打ちして補修してあり、かなり古い破損の跡と思われる。

(所蔵No.11954)

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アイフォンIII型(AI-PHONE) 2球式受信機(改造並四受信機) 愛知時計(株) 1925年頃、1930年頃1次改造、1935年頃2次改造、 150.00円(球なし)

  
 オリジナルのホーンスピーカ内臓の電池式受信機、元の部品は何もない。  蓋の裏のマーク


    販売元の中央放電機(株)カタログより

  
        1930年頃に追加された交流式受信機部のキャビネット         元のキャビネットを上に載せてねじくぎでつないである。

 
     1935年頃にアリア27B 型シャーシに交換

 この受信機は、ラジオ放送初期のスピーカ内臓型2球式電池式受信機である。同社のアイフォンII型受信機と愛知高声器を大型のキャビネットに収めたもの。本体のみで150円、真空管、電池、両耳レシーバ、アンテナ、アース線一式で210円という高価なものだった。メーカーの愛知時計(株)(現:愛知時計電機)は時計メーカから軍用機器の製造、輸入を通じて無線機の技術も持ち、名古屋放送局設立に大きな役割を果たした(1)。放送開始時にはラジオセットの製造にも乗り出し、アイフォンⅠ型単球受信機が、型式証明第57号を取得している。この大型セットは、型式証明が廃止された後のものと思われる。型式証明受信機はおしなべて高価であったが、それでも輸入品より安いことからビジネスチャンスがあった。しかし、型式証明制度が廃止されてからは、ラジオセットの値崩れが激しく、自作や中小メーカとの価格競争に敗れるメーカが続出した。愛知時計電機もこの時期にラジオセットの製造から撤退したと思われる。同社はガスメータや水道メータなどのメーカとして存続している。

 この高価な受信機は、2回にわたって大きな改造を受けた。最初は1930年頃、オリジナルの中身を全て取り除き、新たにキャビネットをあつらえて製作している。このキャビネットにエリミネータ受信機を組み込み、元のキャビネットの床板を取り除いて積み重ね、木ねじで接続してある。スピーカはホーンスピーカからセンターのマグネチック・スピーカに交換された。内部は左右対称に作られ、赤と青のパイロットランプが付けられている。これは1931年に東京中央放送局で始まった二重放送に対応するために同調回路を二つ備えた受信機に良く見られたものである。回路は201Aと226を組み合わせたものであったと思われる。

 このような二重放送対応受信機は部品点数が多いだけで使いにくく、すぐに時代遅れになった。1935年、旧式なエリミネータ受信機の部品はデザイン上外せないバリコンと同調つまみを除いて全て取り外された。そしてここにミタカ電機製の市販シャーシを組み込んで、227-26B-26B-12Fの並四受信機となった。このシャーシのアンテナコイルとチョークコイルは、戦後交換されている。このセットはほぼ5年おきに大改造を受けることで、急激な技術の進歩に追いつきながら30年近くにわたって使われたことになる。

(所蔵No.11830)

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トムフォン(Tomphone) 4号型 3球式受信機 東京無線電機(株) / カワコ(Kawako)・ホーン・スピーカ 1927年

  
  外観(左)とシャーシ(右)、スピーカの脚はオリジナルではない。内部配線はオリジナルではない
   
  ふた中央のロゴ(左)と本体内部の銘板(中)、トランスの銘板(右)、もう1個のトランス(初段)は1:6である。
  
  本体のラベル(左)とスピーカのラベル(右)、保障期間1年と推定すると昭和2年(1927年)製と推定できる。
  このラベルからスピーカがオリジナルであることがわかる。番号が連番とすると一月に150枚のラベルを発行していたことになる。
  
 ふたの裏の説明書にある回路図(左)と内部接続図、実際のセットとはかなり異なる。

 TUBES: 3- UX-201A

 放送開始初期の国産3球式受信機。東京無線電機は1922年に東京無線電信電話製作所と帝国無線電信製作所が合併して設立された。当初は逓信省や船舶用の無線機器を製造していたが、1925年にトムフォン受信機およびオリジナルの真空管を発売し、ラジオ市場に参入した。(3) トムフォン受信機は、1号から3号まで型式証明を取っているが、この4号は、型式証明制度が終わった後の製品のため、型式証明番号はない。型式証明時代の特徴であった波長切替はなくなっているが、認められていなかった再生検波は使用していない。型式証明終了後の放送開始初期の受信機の特徴が良く出ているセットである。同社はこの頃、ラジオ製造から撤退したと考えられる(4)ので、このトムフォン4号は、同社最後のラジオとして良い。同社は後にトムブランドの拡声装置で有名になる。

 バリオカプラとバリコンを併用した2段同調回路にグリッド検波、初段6:1、2段目3.5:1のトランス結合2段の低周波増幅という構成である。内部にトランスの銘板と同じTRS(東京理学電機製作所)の印がある保証票があり、日付が3年9月となっている。保障期間が1年だったと推定すると、販売されたのは昭和2年(1927年)ということになる。同時に発見されたKAWAKOホーン・スピーカに同じ保証ラベル(日付は3年8月)が貼ってあることから、オリジナルのペアであったことがわかる。

 このセットのふたの裏に取り扱い説明と配線図、配置図が印刷された紙が貼ってある。ここに印刷された図面には、バリコンを2個使用し、検波段と、増幅段それぞれ独立した電源スイッチと出力ジャックがあるように記載されている。しかし、実際のシャーシはバリオカプラとバリコンの組み合わせになっているほか、検波出力のジャックはない。回路図では電源スイッチをOFFにするとアンテナとアースを短絡するようになっている。避雷のための配慮であろう。配置図と実際のシャーシの関係でも、部品配置やシャーシそのもののサイズが異なっている。シャーシが大幅に作り直されたという可能性もあるが、、パネルの刻印やキャビネットの配線引き出し穴との関係などは良く整合している。保証票の捺印がメーカの東京無線電機でなく、ここに使われているトランスメーカのTRSのものである点は、改造であることを示しているように思える。

 いずれにしても、本機は1980年代に解体、修復がなされているため、配線などオリジナルでない部分が多く、元の姿については謎が残る。本機の真空管は失われていたため、サイモトロンUX-201Aを当館で取り付けた。
エボナイト製パネルは褪色している。実際はシャーシ裏のように黒色であったと思われる。

(所蔵No.11895)

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ジュノラ(JUNOLA)6D型スーパーヘテロダイン受信機 (芝浦製作所 1927年頃)

 

  
 シャーシの取り付け方がRCAと異なる            背面の注意書き

GE/RCAのライセンスで芝浦製作所がAR-812の日本版として製作したもの。内部構造やダイヤル機構はAR-812とほぼ同じものだがレイアウトが異なり、横幅が少し小さい。自動車が普及していなかった当時の日本では大型のポータブルは意味がなく、ハンドルは付いていない。本家RCA製品の半額程度で販売されたが、それでも大変な高額商品だった。

本機は向かって左側のグリルと縦桟4本が失われている。

(所蔵No.11607)

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2球再生式受信機 (日本製 メーカー不明 1927年)

  

 UX-301A(TOYO)(201Aと同じ)を2本使うグリッド検波低周波1段の小型受信機。パネルに「M」のマークがあり、「C2714」の製造番号が内部に刻印されていることからメーカー製と思われる。スパイダーコイルの距離を変えて再生を調整するバリオカプラを使用している。このセットは中国大陸で使用されていたらしく、内部に「上海、大連受信機検査印」が押されている。

本機はスパイダーコイルがシャフトから脱落している。

(所蔵No.11409)

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3球再生式受信機  日本製 メーカー不明    1927年頃 

  

TUBES: UX-201A X3

 日本無線製のバリオカプラを使った再生検波+低周波2段の構成の受信機。ダイヤルは七欧商会の製品、真空管はスタンレー電球製のものが使われている。スピーカが鳴るラジオとしては簡単な構造のセットである。

(所蔵No.11976)

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4球再生式受信機(福島県白河) 日本製 メーカー不明    1927年頃

  
  外観(左)と、UX-201Aに貼られたラベル(左は昭和6年8月28日の日付ラベル)
 

TUBES: UX-201A (CYMOTRON) x4, LL-201A(NDK),

大正末期から昭和初期の典型的なラジオ。パネルや部品のレイアウトはクロスレーのトライヤダインに近いが、このセットはクロスレーのようなレフレックスではなく、4球再生式である。中央のツマミとバリコンが左右と違うことから、本来3球式で組み立てたものの性能が不十分で、後から4球式にされたかもしれない。

多くのこの時代のラジオ同様、このセットにも改造の跡が見られる。再生の効き方を改善するためか、パネルの中央右寄りにミゼットバリコンが追加されている。ツマミと部品の形状から、この改造は1930年代前半に行われたと思われる。中央下部のツマミは両方ともレオスタットだが、左側はツマミが失われ、ターミナル用のツマミで代用されている。中央奥に、C電池用の手製のターミナルがあり、外からリード線を接続するようになっているが、現在はショートされている。B電池のタップでバイアスをかける方式に変更されたものと思われる。

真空管は1本だけが茶色ベースの古いもので、他の3本は昭和6年のラベルが付いたサイモトロンのものに交換されている。3本の日付のラベルは全て昭和6年だが、5月、8月、12月と、日付がすべて異なっている。いずれの真空管にも管壁に"OTAYAYAKUTEN (大田屋薬店?)", "SHIRAKAWA" の文字と、店主らしい肖像が描かれた切手状の立派なラベルが貼られている。

本機は、福島県白河市の、東日本大震災で損壊した土蔵の解体準備中に発見された。真空管のラベルからも、白河で使われていたものと考えて間違いない。放送開始当時、福島から4球式で東京放送局を受信するのはかなり厳しかったと思われる。これほどのラジオを購入できるなら、最初から5球ニュートロダインとしていただろう。このラジオは、1927(昭和2)年に建設され、翌1928年に放送を開始した仙台放送局を受信するために1927年に用意されたとみて間違いないだろう。
真空管に貼られたラベルが「大田屋薬店」を意味するとすれば、薬屋でラジオ部品が売られていたことになる。放送開始当初、様々な業種からラジオ製作、販売に進出したことが知られているが、薬屋というのは珍しい。

(所蔵No.m11054)  長野県東筑摩郡 滝澤様寄贈

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ブローニング・ドレーキ式5球受信機 メーカー不明 1928年頃

  

当時の標準的な3極管UX-201Aを5本使用する比較的高級な受信機。ブローニング・ドレーキ(ドレーク)方式は、ニュートロダイン式高周波増幅と再生検波を組み合わせた回路で、特許に触れる可能性が高いことから大メーカーはほとんど手がけなかった。本機も小規模なメーカーかアマチュアの自作と思われるが、一流メーカーの部品が使われ、配線なども手際が良い。木の板上に部品を固定し、裸線を直角に折り曲げて配線する、当時の一般的な配線方法で作られている。

組み合わせられているスピーカーはナナオラのフラワーボックスである。

(所蔵No.11612)

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ニュートロダイン改造4球レフレックス式受信機 日本製 メーカー不明  1928年頃

  

 

TUBES: 4- UX-201A

長野県松本市中心部の商家の蔵から発見された初期のラジオ。家具を商っていたこの家の当時の主人が技術に明るく、手作りしたものといわれる。このセットには何度か作り直された形跡があり、配線と部品配置が変更されている。当時、松本市から東京、名古屋、大阪しかなかった放送局を受信しようと思えば、ニュートロダイン式以上が必須であった。ニュートロダインは通常5球式になるが、このセットでは本来5球だったものを修理の際にレフレックス方式として真空管を1本減らしている。低周波トランスもこの時に交換されたと思われる。

(所蔵No.m11043)  松本市 渡辺様寄贈

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Halodyne 5球ニュートロダイン受信機 金萬電気商会/KANEMAN ELECTRIC Co. 1929年

 

  

  

 TUBES: 201A-201A-201A-112A-112A

 長野県諏訪郡岡谷にあった中小メーカ製のニュートロダイン受信機。高周波段にUX-201Aを3本。低周波段にUX-112Aを2本使用する。このセットは、長野県上伊那郡辰野町の旧家に残されていた。奇跡的に当時使われていたままのバッテリーとホーンスピーカ(Omarブランド)が揃っている。セット内部にも修理や破損の痕跡が無く、ほぼ購入当時の状態を維持している。真空管は1929年8月の日付を打ったラベルの付いたサイモトロン製品で揃っている。これがこのセットの製造年であろう。

 バッテリーは"A"電池にユアサRA-2型(6V)、"B"電池にGS BK-80型(90/45/22.5V)、"C"電池に4.5V積層乾電池(メーカ不明)を使用する。A電池は一般的なものだが、B電池は電流が少なく、比較的長持ちするので乾電池が使われることが多く、このように高価で保守が大変な蓄電池が使われることは少なかった。このセットの場合、部品の入手が不便な地方で使用されていたため、充電可能な鉛蓄電池が使われたのではないかと思われる。

 キャビネット側面にはコールサインとダイヤルの位置を示す紙片が貼られている。これを見ると、東京、名古屋、大阪、熊本、仙台、広島、札幌という、当時の大電力局全てが記入されていることがわかる。長野県の山間部の町でこれだけ遠方の局が受信できたことは驚きである。ノイズが少なかったのであろう。

 また、本機には、アース線とアンテナ線も付属している。アンテナ線(緑色)は直列にマイカドン(日本無線製)を直列に入れた上で、先端に電球用のプラグが付けられている。つまり、電灯線アンテナとして使っていたということである。アース線(赤)の先端にはフォーンプラグが付けられている。このセットの持ち主の家にはすでに電灯線が来ていたということである。このラジオが作られた翌年の1930年頃から本格的に交流式受信機の普及が始まる。相当に豊かだったオーナーは、このセットを改造することもなく仕舞い込み、新型の交流受信機に買い換えたのであろう。
電池式受信機時代の最後のセットといえる。

(所蔵No.11825)

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その他の国のセット


ATM "Claritone" ホーンスピーカ Automatic Telephone Manufacturing Co., Ltd. (1924)

 

 英国製の中型ホーンスピーカ。英国放送会社(BBC:後の英国放送協会)の認定を受けている。
本国ではポピュラーな製品だが、日本にはわずかな数しか輸入されなかった。

(所蔵No.10072)

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参考文献

 1)社団法人名古屋放送局の成立 浦部信義 メディア史研究 Vol. 20 メディア史研究会編 ゆまに書房
 2)ラヂオ放送の夜明け JOAK東京放送局誕生まで 向後英紀 メディア史研究 Vol. 20 メディア史研究会編 ゆまに書房
 3)日本無線史 第11巻
 4)戦前日本のエレクトロニクス 平本 厚著 ミネルヴァ書房 2010年
 5)Radio Manufacturers of 1920's Vol.1-3, Alan Douglas, Vestal Press (U.S.A.) 1991
 6)雑録 明治の情報通信  鎌田幸蔵著 近代文芸社  2008年 \1,300
 7) ヴィンテージラジオ物語 田口達也著 誠文堂新光社 1993年

         

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